漫画「君たちはどう生きるか」のあらすじと話題になっている理由

漫画「君たちはどう生きるか」のあらすじと話題になっている理由を考えてみた

「君たちはどう生きるか」という漫画はただいま大ブレイク中の漫画で、どこの本屋でも特集が組まれていますし、コンビニにも置いてあるくらいの大人気を博しています。

タイトルからしてものすごいインパクトがある書籍ですが、気になってあらすじを知りたいという方もいらっしゃるのではないでしょうか?はたまた、どうしてここまで話題になっているのかと疑問に思っている方もいらっしゃるでしょう。

そこでこの記事では漫画「君たちはどう生きるか」のあらすじをざっくりご紹介し、またここまで話題を呼んでいる理由を筆者なりに考察してみようと思います!

漫画「君たちはどう生きるか」について

まずは漫画「君たちはどう生きるか」がどういった本なのかということについて簡単にご紹介していきます。

基本情報:作者・出版社・値段

もうご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、漫画「君たちはどう生きるか」にはもともと原作の小説が存在しています。原作の基本情報については以下をご確認ください。

本の名前 君たちはどう生きるか
作者 吉野源三郎
出版社 マガジンハウス
初出 1937年
値段 1300円(税別)

もともと、吉野源三郎さんという方が執筆なさった小説が原作としてあり、その初出はなんと1937年。第二次世界大戦が始まったのが1939年ですから、戦前に刊行されたということになりますね!

原作が刊行された背景

「君たちはどう生きるか」というタイトルからして、相当なインパクトがある小説であるということが読む前からわかりますが、どうして戦前にこのような本が刊行されたのでしょうか?実は、この小説は当時の軍国主義真っ只中の閉じられた社会情勢の中にあった日本の中で、全国の少年少女に向けて「自由」について考えるきっかけを与えるための「日本少国民文庫」の一冊として刊行されました。

軍国主義というのは外交手段において軍事力を最優先するという国の考え方ですから、当時の日本国内は極めて閉塞的な雰囲気が漂っていて、とても子供達が「自由」を感じることができるような社会ではなかったんですよね。そういったものを本の力によって変えてみようといった意図で、当時は刊行されることとなったようです。

あらすじ

戦前の閉じられた社会情勢で育てられる子供たちにどうにかして「自由」を考えてもらいたいといった想いから刊行された小説「君たちはどう生きるか」ですが、ここからは漫画「君たちはどう生きるか」のあらすじについて見ていきましょう。

[aside type=”normal”]「君たちはどう生きるか」のあらすじ

時代背景は原作と同様におそらく戦前。主人公である本田潤一という少年は「コペル君」というあだ名を持っています。どうしてコペル君なんて変わったあだ名を持っているのでしょう?これにはコペル君のおじさんが深く関わってきます。

コペル君には元編集者のおじさんがいて、現在失業中の身のおじさんはコペル君の家にしょっちゅう顔を出すようになりました。おじさんは元編集者ということもあり家中に本があるような知識人で、コペル君が知らないような様々なことを知っています。

コペル君とおじさんはふとしたことから銀座まで出かけていきました。銀座のデパートの屋上から見えるあまりの人の多さにコペル君は改めて驚き、同時に高いところから見下ろした人々の姿が「分子」のような小ささに見えることから学校で習った「全てのものは分子という最小単位により構成されている」という理科の授業の言葉を思い出します。

今までなんとなく見ていた世界が、実は分子という最小単位にまで分解ができてしまうという新たな認識が自分の中に生まれていることに気づき、はたまた社会というものも自分からは見えない人たちが集まって成り立っているという事実にも気がつきました。

そこでおじさんはコペル君のこの発見を、「太陽ではなく地球が動いている」と革命的な発想である地動説を提唱したコペルニクス並みの発見であるとして、コペル君と名付けるに至りました。ここから、おじさんとコペル君の物語は始まっていきます。[/aside]

率直な感想:ZIPや王様のブランチで紹介される理由がわかった

人混み

コペル君をめぐるこの本を読んだ率直な感想は、「深い」といったものでしょうか。本のタイトルからして相当な奥深さを持っていそうな気がしていましたが、読んでみると尋常じゃない深さで久々に漫画を読んで色々と考えさせられましたね。

この本は先ほどのあらすじの部分にあるような、「社会は分子のような人と人との相互作用で構成されている」という点がメインテーマとなっていて、本来あるべき「社会」や「人間同士の繋がり」という大きなテーマを、コペル君を中心として最後まで見事に描ききっているのです。

あまり詳しくいうとネタバレになってしまうのですが、コペル君は物語のメインともなるある事件において、人と人との繋がりという点から見た重大な過ちを犯してしまいます。そこでもう生きたくないとまで思ったコペル君ですが、おじさんに叱咤され「自分がどう生きていくべきなのか」ということを真剣に考え、自分の人生を「取り戻していく」姿はなんとも言えない力強さを私たちに与えてくれるのです。

この本を通して、軍国主義が隆盛していた当時とはまた違った意味で「閉塞感」を感じさせる現代の社会を生きる私たちに対して、コペル君が「君たちはどう生きるんだい?」と問いかけてくるようなリアルさを読後に味わうことができるでしょう。

これほど読者側に強烈なインパクトを与えつつ、決して気難しさを与えない本はなかなかありませんね。ZIPや王様のブランチといった番組で紹介された理由がわかった気がします。

絵が下手ってほんと?

この漫画について様々な口コミがありますが、「絵が下手」という点を指摘する方が結構な数いらっしゃるように感じられました。確かに現代の美的感覚に慣れてしまった私たちにとって、この漫画の表紙のコペル君はあまり魅力的にうつらないかもしれませんが、下手という表現も違うような気もしています。

おそらく、この漫画を若者向け漫画の漫画家が書いたとしたら、それはそれで良い漫画になることは間違いありませんが、ここまでの「重さ」や「深さ」は出なかったような気がしています。この漫画はタイトルにもあるように、「生き方」という非常に深く重いテーマを扱うものなので、万人受けするようなポピュラーなタッチで描いてしまうと、確かに読みやすくはなるかもしれませんがここまでの説得力は出なかったような気もしてくるのです。

この漫画の絵のタッチからは、小学校の時に図書室で読んだ児童向けの漫画のような懐かしさを感じることができます。童心にかえったような素直な心で読むことができたので、筆者はこの漫画の絵について「下手」だとは思いませんでした。

漫画「君たちはどう生きるか」が話題になっている理由を考えてみた

さて、ではこの記事のもう1つの本題である、漫画「君たちはどう生きるか」がこれほどにまで話題になっている理由を考えてみましょう。

今もなお色褪せない「生き方」という主題

生き方に悩む男性

この本の原作は先ほどもご紹介した通り、戦前の1937年に刊行されました。一般的にはこんなにも昔の本が現代社会に受け入れられることは考えられませんが、タイトルにもあるように「どう生きるか」という時代を超えて普遍のテーマを見事に描ききっていることが、時代を超えてこの本が愛されている要因となるのでしょう。

現代社会の閉塞感は「生き方」への危機に直結する

さらに、現代日本を生きる我々の多くは、極めて閉塞的な雰囲気を社会全体から感じていることでしょう。戦後の社会のように何か団結する目標があるわけでもなく、かといってバブル時のような高揚感もない。とりあえず生きて行くことだけは比較的容易であるのがこの日本ですが、とりあえず生きることができてしまう現代だからこそ「生き方」を自分自身へと問わずにはいられないというのが人間の本質であるとも言えます。

しかし、「生き方」を自分に問うてみても、結局はよくわからない。かといって、他人に聞くのもちょっと気がひけるし、そういった本を読んでもなんか難しくて頭に入って来ず、結局「まあいいや」と諦める。こういったプロセスはおそらく誰もが通過してきていることだと思いますし、実際筆者も何度となく繰り返してきました。

児童書・漫画という点が心にぶっ刺さる

こういった背景がある中で、児童書として刊行された本書が、さらに漫画という形で時代に合わせて人々へと流れたことで、見事に「生き方」に悩む人々の心へとぶっ刺さったのではないかなと考えています。実は筆者は、数年前に本書の原作小説を購入して読んでみたのですが、やはり難しくて途中で挫折してしまいました。

しかし、今回漫画の形で再び読んでみると、一晩で読みきってしまうほどのスムーズさがあったんですよね。おそらくですが、世の皆さんもこういった手軽さに助けられて、本書を通読することができたのではないかと思います。

以上のような理由があって、漫画「君たちはどう生きるか」が現在これほどにまで話題になっているのだと筆者は考えました。

まとめ

今回は漫画「君たちはどう生きるか」のあらすじと話題になっている理由を、筆者なりの考えでお伝えさせていただきました。自分自身の生き方を考えることは、人間が生きていく上で非常に大切なことです。その確かな手助けになる本書を、一度読んでみてはいかがでしょうか?

最後まで読んでいただきありがとうございました!ではまた。

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