オタクの書評

電子書籍のメリット・デメリットをKindle使用歴8年のベテランが徹底解説

電子書籍のメリット・デメリットを使用歴8年のベテランが徹底解説

皆さんどうもです、亜鈴です。今の時代、ニュースを見るのも動画を見るのも、テレビではなくスマホやタブレット、パソコンを使用する方が非常に多くなってきていますよね。

この流れに伴って、『本も紙ではなく電子書籍で読みたい』という方も多いと思いますが、一方で、

[list class="stitch-orange"]

  • でもやっぱり紙の方がいいんじゃない?
  • 本をスマホとかで読むって・・、なんか微妙そう
  • なかなか電子書籍に踏み切れず、紙を買ってしまう・・

[/list]

このように感じている方も少なくないでしょう。どれも電子書籍に関係するメジャーな悩みですから、当然私も理解できますよ。しかし一方で、このように悩むということは『電子書籍にメリットを感じている』ということの裏返しでもあるはずなんですよね。

というわけでこの記事では、電子書籍のメリット・デメリットについて、電子書籍歴8年のベテランである私が、徹底的に解説していきます。

[say]どこよりも詳しく、をモットーに記事執筆しているので、気になる方は参考にしてみてください![/say]

電子書籍を使い始めてから早いもので8年が経った

読書するハリネズミ

まず始めに、電子書籍筆頭であるKindleを8年間使用してきた筆者目線で、

  • 紙の本
  • 電子書籍

この2点について思うところを語っていきたいと思います。

Kindle黎明期から使用

筆者が最初にKindleに触れたのは大学生の時。確か教職関連の講義で紹介されていた、「これからの正義の話をしよう」というハーバード大学教授のマイケル・サンデルという方が執筆された書籍の原本が読みたくなったから。

ライブラリでいつ購入したかを調べてみると、「2012年11月」ということで、およそ8年の時が経過したことになります。

漫画から問題集まで、購入本数は100を超えている

そこでザッと調べてみると、購入した本は多岐にわたり。漫画もあればラノベもあり、大学の学術系の書籍までなんでもござれな状況で、購入本数は100本を余裕で超えていました。

総額については計算するのが怖くなるので辞めましたが、100冊超えの時点でお察しですよね。相当いってます。

電子書籍はどんどん普及してきている!

そして、皆さんに伝えておきたいのが、電子書籍市場がどんどん伸びているということ。

昨今、出版業界が『本が売れねえ!』という絶望ムードに包まれているような報道が多いですが、実はこれは正しくない認識です。それは、以下の引用文をご覧になれば明白。

出版科学研究所によれば、2019年の出版推定販売金額は紙と電子を合わせて1兆5432億円と前年比0.2%増となり、1996年の2兆6564億円をピークに、以降は縮小を続けてきた出版市場が22年ぶりに上昇に転じた。

引用:出版市場の“22年ぶり復調”はなぜ起こった? ウェブと本の共生関係、その現在地を探る - Yahoo!ニュース

この記事は2019年の出版業界の景気について扱ったものですが、1996年のピークから2018年に至るまで、毎年毎年減少してきた出版業界の売り上げが、2020年に0.2%の増収に転じたのです!

そしてこの増収の理由に、

  • 電子書籍市場の伸長
  • 漫画アプリのヒット
  • 広告収入

以上3点を挙げており、この3つの要素のうち、上2つについては「本をデジタルで読む」ことに関するもの。

この事実から分かるのは、私たちが考えている以上に、私たちの生活に「デジタル書籍」の手が伸びているということであり、あと10年もすれば『端末で本を読むのが当たり前』となる未来すら見えてくる、ということです。

[say]正直、Kindle黎明期は、本をデジタルで読むことに抵抗感を持っていたのも事実である。しかし、それは単なる「こだわり」であることに気づいた。知識を吸収したり、作品の良さを受け取ることに、紙・デジタルという媒体は関係はないというのが、筆者の主張である。[/say]

なかなか電子書籍を購入できない気持ちもわかる

さて、筆者の電子書籍に関する雑感を語らせていただきましたが、

『電子書籍の良さ、分かっちゃいるんだけど、なんだかんだ紙の方を選んじゃうんだよね・・』

と思ってしまうのも、すごく分かるんです。実際、筆者もなんだかんだ、最初の数年は同じように思ってましたしね。

[say]これ紙で買った方がよかったかなぁ[/say]

みたいなね(なんなら今でも普通に思う)。

こういう状態になった時は、一度情報を整理することが大事。紙には紙の良さがあるし、欠点もある。電子書籍もまたしかりですよね。

電子書籍のメリット・デメリットを使用歴8年のベテランが徹底解説

というわけで、電子書籍を8年間使い続けてきた筆者目線で、メリットとデメリットをまとめてみました。黎明期からここまで長期間使い続けてきた人間の生の声は意外と貴重だと思うので、ぜひチェックしてみてください!

[say]8年使い続けて見えたことはたくさんあるので、思う存分語らせていただきます![/say]

メリット

まずはメリットから語らせてもらいます。

  1. 場所を取らない
  2. 携帯性が非常に高い
  3. 手軽に購入できて、なおかつお得
  4. デジタルメディア特有の恩恵を受けられる
  5. 周囲にバレずに本を所有できる

具体的には上記5つについて語っていくので、順番に見ていきましょう。

1:場所を取らない

「場所を取らない」というのは、本をたくさん読む人間にとってみれば、天国のような話です。私は学生時代から本を読むことが好きで、大学生時点で既に部屋に本を置くスペースが残されていませんでした。

これだけならまだ良いのですが、問題なのが引っ越しです。数百・・、もっとか、千冊超えの書籍をまとめて引っ越す際は、本当に地獄のようでした。しまいには、

[say]もうええわ、これ絶対読まないでしょ。[/say]

と、半ば投げやり気味に不要(だと自分に思わせた)書籍はゴミとして捨ててしまいましたからね・・。で、こういう本に限ってあとあと、『捨てなきゃよかったぁ』なんて後悔しちゃうんですから困ったもんです。

また、物理的なスペースが家の中になかったので、庭にある物置の中にダンボールに入れて避難させていたら、2019年の千葉県を襲った台風19号により、その物置の屋根がぶっ飛んで雨水がダンボールを貫通。結果、物置に入れていた書籍が全て死ぬという本好きにとってはあまりにも残酷な事件も起きました。

でもね、電子書籍なら引っ越しなんて何にも問題じゃないですし、物置に本をしまう必要だって全くありません。だって既に数百冊が手元にありますから、避難させたり捨てたりする必要もないんです。

端末内のデータ容量的な問題もあるにはありますが、読まない本は一度端末からは削除しておいて、また読みたくなった時にダウンロードすればOK(もちろん無料です)。

こんな具合に、色々な意味での「取り回しの良さ」も電子書籍の魅力。物理的容量を一切消費しないのは、ほんっとうに最高です。

2:携帯性が非常に高い

電子書籍のメリットを語る上で、携帯性の高さについて扱わないわけにはいきません。

Kindle Oasisを手に持ってみた

こちらが筆者愛用の電子書籍専用リーダー「Kindle Oasis」ですが(ちょうど充電切れてた)、この手のひらサイズで重量は200gもありません。一般的に、新書一冊が250gと言われているので、どれほどコンパクトで軽量なのかがわかるでしょう。

で、この中に、筆者の場合は数十冊(数えたことはないが、恐らく50冊は入ってる)の書籍が常時インストールされており、いつでもどこでも読むことが可能です。これは明確に、紙の本ではできないことですよね。

ちょっとした空き時間に漫画を読み返したりできますし、飽きたら小説に切り替えることも可能。こんな芸当、紙の本で行うことは現実的ではありませんから、電子書籍の携帯性の高さは間違いなく大きなメリットだと言えるでしょう。

[box class="box33" title="電子書籍専用リーダーとは?"]電子書籍専用リーダーとは、各サービスが用意している自社製造の読書専用端末のこと。AmazonならKindleが該当するが、驚くほど快適に読書を行うことができる。

その理由は、ズバリ最先端のテクノロジーをつぎ込んでいるから。例えば、上記画像にある筆者のKindle Oasisの電池切れ画面、不思議に思わないだろうか?

本来、デジタルデバイスの電池が切れていたら、画面は真っ暗になるはずである。でも、実際は電池マークがずーっと表示され続けているのだ。これがどういうカラクリなのか、詳細な説明は省くが、特殊なデジタルインク・ペーパーを使用することで、電池の消耗をせずに画像を表示することが可能なのだ。

まさにデジタル版の「紙」ということになるのだが、この技術で全く目が疲れずに読書を行うことができる。個人的には、電子書籍を利用するなら、専用リーダーの購入は必須条件だと感じているぞ。[/box]

3:手軽に購入できて、なおかつお得

電子書籍のメリットの1つに、購入にまつわるものがあります。通常、本を購入する場合は、本屋にしろネットにしろ、手間や時間がかかるのが普通ですが、電子書籍の場合には、『これ欲しいな』って思った1分後には読むことができてしまうわけなんですよ。

この手軽さ、迅速さを味わってしまうと、正直紙の本には戻れません。体が『欲しいと思ったらすぐ読める』ものだと思ってしまっているので、紙の本を買いに行くという考えにならない。

イメージとしては、(Kindleの場合)Amazonというニュースサイトを通じて、有料の記事を購入するみたいな、そんな感じですかね。『あ、これ良さげだな』と思ったら、1クリックで即購入。30秒後にはインストール完了なので、Yahooでニュース読むのと感覚的には大差ないです。自分で金払って読みに行くので、そこの差はもちろんありますが。

しかも、Kindleをはじめとする電子書籍は、

  • 単純な値引き
  • ポイントによる実質値引き

これらが普通に行われるので、紙の本より安く買うことができちゃうんです。新品の紙の本は法律により価格が下げられないことが決められていますが、電子書籍の場合は違います。中には半額程度の利率でポイントを配っていたりするので、安く手に入れられるという点もかなりのメリットですよ。

[say]本はダメなのに、どうして電子書籍の割引は可能なのだろうか?それは、電子書籍は本自体を購入しているのではなく、データ化された本をそのサービス内で読む権利を購入しているからに過ぎないから。じゃあそのサービスが終了したら、購入した電子書籍はどうなるの・・?この答えはデメリットの部分でたっぷりと語っている。[/say]

4:文字検索など、デジタルの恩恵を受けられる

皆さんは、電子書籍を『ただ本をデジタル化しただけ』だと思っていませんか?実は決してそうではなく、漫画など絵が絡んで来るものを除くテキストベースの書籍において、書籍内の文字を検索することができちゃうんです。

筆者はこのブログでよく書籍のレビューもしたりするんですが、

『そういえば、あの場面のあのセリフ、なんて言ってたんだっけ?確か"未来"って言葉を使ってたと思うんだけど・・』

こんな感じに、「一部の言葉だけ分かってるけど全体がわからない」みたいなことがよくあります。そんな時、紙の本だと分厚い小説のページの中から該当部分を探し出さなければいけませんが、電子書籍だと「未来」と検索すれば一発で出てくれるんですよね。これが非常にありがたい。

まあ、紙の本でも薄い本ならそんなに苦労しませんけど、学術書とかだと本当に重宝しますよ、この機能は。

あとは、分からない単語があったら単語を長押しするだけで、辞書だったりWikipediaだったりでその場で調べられる・・、みたいな、電子書籍ならではの機能は結構あります。筆者の場合、夏目漱石だったり芥川龍之介だったりと、やや古い小説に出てくる単語の意味を調べながら読み進めるみたいな時に、この機能は重宝しました。

5:周囲にバレずに本を所有できる

これはやや蛇足的ですが、周囲にバレずに本を所有できるというメリットもあるにはあります。男性の場合だと、ちょっとエッチな本とかね。まあそういう感じです。

メリットと言えるのかどうかちょっと怪しいですが、念のため紹介しておきました。筆者は何もやましい本は持ってないけどね、うん。いや、本当に。

デメリット

続いて、電子書籍のデメリットについても詳しく扱っていきます。

  1. 読んでいる実感・所有欲が満たされにくい
  2. 本にメモなど直接書き込めない
  3. 読書環境で読みやすさが大きく変わる
  4. 貸し借り・売却が不可能
  5. 電子書籍未対応の本も存在する

具体的には以上5つの項目を用意したので、順番に見ていきましょう。

1:読んでいる実感・所有欲が満たされにくい

まずはじめに言及したいのが、「感覚」の部分です。筆者のような90年代に片足突っ込んで生まれた人間は、何だかんだ紙の本に馴染みがあります。それゆえ、全てが画面上で完結するデジタルな読書体験に、何とも言えない抵抗感を抱いてしまうのも無理はないでしょう。

確かに筆者は、現在9割の本を電子書籍にて閲覧していますが、それでもやはり『紙の本ってやっぱいいよね』って思う時はありますよ。特に漫画については強くそう思います。ペラペラと紙をめくるあの感覚なしで、デジタル上だけで1冊の漫画を読み終えたあとは、なんか得体の知れないもやもや感が募る。

確かに、「漫画を読み終えた」という体験自体は自分の中に蓄積されているんです。でも、やっぱり何かが違う。この「何か」は言語化することが難しいですが、筆者の場合「所有している感覚の欠如」だと思ってます。

先ほど、メリットの部分で『手軽に購入できる』と説明しましたが、逆に言えば、『手軽すぎる』んですよね。ニュースサイトをサーフィンする感覚で読書という体験ができてしまうので、「一度読んだらそれっきり」という感覚で読書をしてしまうような気がします。

その結果、読書という体験自体の価値が低下するし、「その本を所有している」という感覚にも乏しくなる。特に漫画だと、本棚に自分の好きな漫画が並んでいるのを見ているだけで良い気分になれたりしますが、それがないのでなんかもの寂しい。

・・、と、ちょっと主観が入りすぎてまとまりがなくなりましたが、要するにこういうこと。

『やっぱりまだまだ人間は、紙(もしくはモノ)という媒体に未練がある』

例えば、2010年代生まれの子とか、そういった世代の子供達は、もしかしたら何の問題もなく電子書籍に馴染めるのかもしれませんね。この辺は電子書籍の問題というよりも、文化とか習慣とか、そういった部分の方が大きいかもしれません。

とはいえ、やっぱり感覚の部分は大事ですから、『なんかちげーな』と思って紙に戻る人はそれなりにいると思いますよ。

[say]はじめは電子書籍でコンプしようとした漫画も、手元にないのが寂しくて結局紙媒体でも買い足した・・、なんてこともしたことがある。『漫画系は紙で、それ以外は電子で』みたいな棲み分けもアリかもしれないぞ。[/say]

2:本にメモなど直接書き込めない

本の使い方にもよりますが、本にメモなどを自由に直接書き込めない点もデメリットとしてあげられます。

筆者はあまりこういう使い方はしないのですが、人によってはゴリゴリに本に書き込むことで、本を「自分好みのコンテンツに」仕立て上げる方も多くいらっしゃるはず。

こういった場合、あくまで閲覧に特化した電子書籍は、紙媒体の本より劣った存在になってしまうことが予想されます。

[say]電子書籍は自由な書き込みはできないが、サービスによっては注釈を入れておくなどしておくことはできる。似たような使い方はできなくはないので、一度使ってみるのも悪くないだろう。[/say]

3:読書環境で読みやすさが大きく変わる

電子書籍は色々なデバイスで読書ができることが強みの1つですが、一方で、これがそのまま『読書環境で読みやすさが大きく変わる』というデメリットにも繋がってしまうと個人的には感じています。

例えば、最もポピュラーな電子書籍デバイスであろう、

  • スマートフォン
  • タブレット

これらにより読書を行うと、本当に目が疲れます(パソコンで電子書籍を読むのは論外)。手軽に、どこでも読書ができる点は素晴らしいのですが、じっくり読書を行う上ではおすすめできない方法です。

よって、個人的には専用のリーダー端末を持っていないと、電子書籍を使いこなすのは厳しいと思うんですよね。専用のリーダーは今や色々ありますが、どの端末も「電子ペーパー・eインク」というデジタルながら紙の本とほとんど変わらない読書体験を提供する技術を搭載しています。

もう5年以上電子ペーパー端末(Kindle)を使っていますが、これ、本当にスゴイですよ。デジタル端末特有の光の反射が全然なくて、本物の紙みたいに目が疲れない。しかも、バックライトや防水機能が上位モデルに付属しているので、

『紙の本と同じ使用感で、紙の本より色々な場所で使用できる』

んです。電子書籍のデメリットからどんどん脱線しているような気がしますが、要するに『専用リーダーがないと本格的な読書は厳しい』ということを言いたかった。逆に言えば、専用リーダーさえあれば、ほとんどの方が違和感なく読書が可能になるとさえ思ってます。それくらい専用リーダーは最強です。

4:本家のサービスが終わったら詰む

電子書籍の見逃せないデメリットに、本家のサービスが終わったら詰むという点があげられます。例えば、筆者は現在、Amazonの電子書籍サービスKindleのなかに、100冊を優に超える書籍が入っていますが、これらは全てAmazonが潰れる、もしくはKindleがサービス終了したら、綺麗さっぱり見れなくなります。一冊残らず、全て、です。

なんでこんな理不尽なことが起こるのかというと、我々ユーザーは『本のデジタルデータを読む権利を購入しているだけ』だからなんですね(だからこそ、紙の本とは異なり割引が可能になる)。まあ、実際にはこんなこと起こりませんし、あくまで可能性の1つとして考えておいてくれればOKです。

・・・

なんて言うと思いましたか?実は「可能性」とかそういうことじゃなくて、もう実際に上記のようなことが起こってるんです。詳細は以下の引用文をどうぞ。

ヤマダ電機が5月末、スマートフォン(スマホ)向け電子書籍サイト「ヤマダイーブック」の現サービスを7月31日に終了し、8月から新サービスを始めると発表した。だが、今まで購入した電子書籍は読めなくなり、移行措置もとらない――そんな内容にユーザーが強く反発、ネット上などで批判が燃え上がった。

引用:ヤマダイーブック「炎上」 電子書籍事業への教訓 - 日本産経新聞公式サイト

ね?ゾッとするでしょう?まあ、実際にはこの後、ユーザーからのあまりの反発に耐えかね、どうにかこうにかしてユーザーが購入した書籍を読めるようにはしたんですが、法律的には『サービス終了しちゃいました、すんません』これだけで済んじゃうことなんです。

この点が筆者はすごくネックで、最近『電子書籍からの脱却』について真剣に考えているところでもあります。結局、お金は出しているのに法的には自分のものではないわけですからね、気持ち悪いでしょ、なんか。

Amazonが倒産するなんて普通は考えられませんけど、2019年の台風15号で筆者の自宅が2週間停電するとか、コロナウイルスのせいでオリンピック中止になるかもとか、『いやいや、そんなのあり得ないでしょww』みたいなことが平気で起こる世の中になってきた気がするので、なんかイヤなんですよね。

かといって、今更紙の本に戻るのも違うので、第三の選択肢である「自炊」に手を出してみちゃいました!

[memo title="「自炊」ってなに?"]
自炊とは、紙の本をバラバラの状態に裁断し、スキャナに通して自分でデジタル(電子書籍)化することを言う俗語。従来の電子書籍のデメリットだった「読む権利の購入」を避けつつ、電子書籍のメリットを享受できる方法である。

さらに、これから購入する本だけでなく手持ちの本も全てデジタル化できるので、本好きの人間には最高の読書術だと言える。[/memo]

[say]今ではバッサバッサと本を切りまくってデジタル化しているので、今後Kindleなどの電子書籍サービスは使わずに、「自炊」を楽しんでいく予定だ。これが筆者流のリスクを避けた電子書籍の利用法である。[/say]

5:電子書籍未対応の本も存在する

電子書籍サービスの5つめの弱点が、ズバリ「品揃え」についてです。筆者はKindleを主軸に電子書籍を読んでましたが、読みたい本がない時があったりするんですよね。まあでも、これは言われているほどではなく、今の時代は体感で「8割〜9割」でKindle化されたものが販売されています。

そして、今後より一層電子書籍対応の商品が増えていくでしょうから、このデメリットは時間と共に解決されていくことは明確です。それほど懸念するものではないでしょう。

ただね、1つ非常に不愉快な思いをしたことがあって、『サービスによる電子書籍の有無』がごく稀に発生しているんですよ。筆者の経験をもとに言えば、KADOKAWAの電撃文庫より出版されている「とある魔術の禁書目録」というラノベシリーズがありまして、これをKindleで読もうとした時になかったんですよね。

なので『仕方ないか』と諦めかけていたんですが、KADOKAWAが運営している電子書籍サービス「BOOK WALKER」の方ではしっかりと電子書籍化されてまして・・。「とある」シリーズはオタクの中ではかなり注目度・人気の高いシリーズなので、それを自社運営のサービスで独占という形で扱いたい気持ちはわかるんですけどね、ユーザーからすれば『面倒くさい』の一言ですよ。

こういうことされると、やっぱり萎えます。『結局紙の本が最強か〜』なんて思っちゃいまして、それもあって自力で紙の本を電子書籍化する「自炊」に手を出した背景もあったりなかったり。

結論:どの媒体がおすすめできるのかは「人による」

はい、というわけで電子書籍のメリット・デメリットをお伝えしてきましたが、いかがでしたか?もう一度両方をまとめてみました。

[memo title="メリット"]

  1. 場所を取らない
  2. 携帯性が非常に高い
  3. 手軽に購入できて、なおかつお得
  4. 文字検索など、デジタルの恩恵を受けられる
  5. 周囲にバレずに本を所有できる

[/memo]

[alert title="デメリット"]

  1. 読んでいる実感・所有欲が満たされにくい
  2. 本にメモなど直接書き込めない
  3. 読書環境で読みやすさが大きく変わる
  4. 本家のサービスが終わったら詰む
  5. 電子書籍未対応の本も存在する

[/alert]

メリット・デメリット両方ともに大きくて、ハッキリ言うと『絶対こっちの方がオススメ』とかは言えない状況ではあるんですよね。筆者もメインは電子書籍ですが、やっぱり紙の本が恋しくなる時もありますし、実際今はKindleは卒業して自炊して電子書籍化してますし。

というわけで、ここでは蛇足的に、どんな人にどの媒体がおすすめできるのかを、

  • 紙の本
  • 電子書籍
  • 自炊

この3つにわけて改めて解説していきます。

紙の本をおすすめできる人

まずは紙の本をおすすめできる人から見ていきましょう。

そんなに読書をしない人

それほど読書をせず、スポット的に書籍を利用するようなタイプの人には、紙の本でも十分な気がしています。

家の物理的容量も浪費しないですし、わざわざ電子書籍に移行する必要がありませんからね。また、スポット的に本を利用するとは、言い換えれば『目的が達成されればゴミになる』ということでもあるので、売却が可能な本の方が合理的という理由もあったりします。

「モノ」に強いこだわりがある人

筆者もこの傾向があるのですが、

  • 所有欲
  • コレクション欲

これらが強い、コレクタータイプの人は紙の本の方が良いかもしれません。記事内でも言ってますが、電子書籍は本当に所有している感覚に乏しいのが弱点なんですよね。やっぱり本棚に並んでいる自分の本たちを眺めるのは気持ちが良い。

ただ一方で、コレクタータイプだからこそ、自宅内の物理的スペースを食い潰してしまい『もう本を置く場所がない』となりがちなのも事実なので、そういう場合はもう『電子書籍に移行せざるを得ない』ので、無理にでも電子書籍or自炊に移行しましょう。

電子書籍をおすすめできる人

続いて、電子書籍をおすすめできる人について紹介していきます。

「読めれば良い」という人

読書の目的は所有することではなく「読む」ことなので、『読めれば良い』という人なら電子書籍は非常におすすめというか、もう紙の本にしがみつく理由が何一つありません。

なにせ、電子書籍の方が、安いし買いやすいし読みやすい、ですからね。文字や背景色を自分好みに変更できますし、片手におさまるデバイス内に何百冊という本を入れておける。その上、デジタルペーパーを使用した機種なら、紙の本と全く同じ使用感で使うことができますから、電子書籍を選ばない理由がないです。

ただし、上述のように、電子書籍は本質的には「本が自分のものになった」わけではないので、利用するサービスが消えたら自分の本も消えます。この点を許容できるかどうかで、自炊の方がおすすめできることになってくるでしょう。(大体の人は電子書籍の方を選ぶけどね)

物理的容量が限界な人

本は「無駄に」スペースをとります。いや、もちろん昔は「無駄に」なんて思ってませんでしたが、一度電子書籍を体験してしまうと「無駄に」と言ってしまいたくなるくらい「無駄に」スペースを取る。

一体、どんだけの本棚で自宅の物理的容量が食われてるんだ・・、って話ですよ。そのくせ、自宅はデジタル上の「ギガ」のように容量の付け足しができませんから、『もうこれ以上本を増やせない』という人は一定数いると思うんですね。

そんな方には、非常に魅力的な選択肢になるであろう電子書籍。今後買い足す本は物理的容量を消費することなしに、自分の知識のブーストを進めてくれることでしょう。

一方で、『今までの本が紙なのに、今後買う本が電子書籍ってのがなんか嫌だ』って人もいると思います。例えば、

『ONEPIECEを今まで紙で集めてきたのに、これから電子書籍になるのが気持ち悪い』

とかね。やっぱり一度集める態勢に入った書籍群については、一貫した媒体で最後まで集め切りたいですもんね。

そんな場合におすすめなのが、自炊です。というわけで、自炊がおすすめできる人について、見ていきましょう!

自炊をおすすめできる人

ちなみに、筆者が紙・電子・自炊の中で最もおすすめなのが、こちらの自炊です。紙と電子の良いとこどりをしているので、最強の読書術だと思ってます。

本を「自分のもの」としてデジタル管理したい人

何度も言ってますが、電子書籍はあくまで読む権利を購入しているだけであり、その書籍が自分のものになったわけではありません。これが許容できない人で、かつ本のデジタル化を進めたい人は自炊を選ぶべきでしょう。

自炊なら、

自炊データ

こちらの画像のように、自分の自宅PCや記憶媒体、さらにはオンライン・クラウドストレージ上に書籍を保存しておくことができるので、完全に自分のものとして書籍をデジタル管理することが可能。電子書籍よりも圧倒的に所有欲も満たせるので、コレクター癖がある人でも満足できます。

NARUTOを自炊した

また、一定の水準を満たした機材を利用すれば、上記画像のような一般的な電子書籍サービス水準の画質にて保存しておくこともできるので、読書体験という意味でも劣化することはありません(上記画像に著作権を侵害する意図はございません)。

オンラインストレージ上に書籍を置いておけば、いつでもどこでも開ける本棚の出来上がり。ドラえもんもびっくりの読書術となっています。

[say]本の電子化で気になるのが法的問題だが、第三者にデータを渡すなどせず、あくまで個人で楽しむ範囲ならば自炊は合法だ。逆に言えば、他人に貸与したりできないので、この点は紙の本と比較した時の、明確なデメリットとなっている。[/say]

数えきれない数の本を所有している人

従来の電子書籍サービスでは、

『本をこれ以上持ちきれないから電子書籍に移行したいけど、今まで持っている本は結局家に残ってしまう』

というジレンマを解決できないのが現実問題としてありました。上述のように、漫画を集めている途中で「紙→電子」へと中途半端に移行してしまうのもイヤですしね(コレクター魂)。

そこで大活躍なのが自炊です。自炊なら、今自宅で所有している紙の本も、そしてこれから購入する本も、全て電子化することが可能なんです!これにより、たとえ数え切れないほどの書籍を自宅で保有している方でも、無理なく電子書籍へと移行することができちゃいます。

実際、筆者も自炊環境導入後、膨大な自宅の書籍を暇なときにちょいちょい電子化しており、徐々にですが紙の本が自宅の超コンパクトなHDDへと移行中。この作業もなかなか楽しいんですよね。

まとめ

というわけで、この記事では電子書籍のメリット・デメリットについて扱い、最後に紙・電子・自炊の3つについておすすめできる人を解説してきました。

どの方法も一長一短ですが、これからの時代、デジタル化がどんどん進む中でモノの価値が相対的にどんどん低下していくことが容易に想像されます。そして、紙の本の価値も同時に下がっていくことは明白なので、どこかのタイミングで電子書籍、ないし自炊に手を出すべきでしょう。

結局、本というのは知を言語化したものであり、それが紙からデジタルという媒体に変化するだけのことなので、拒絶反応を示すのは最初だけです。慣れればKindleでも自炊でもイケるようになるので、物は試しでやってみてください。

というわけでこの辺で。最後まで読んでいただきありがとうございました。何かご意見や質問あれば遠慮なくコメントしてください。匿名でコメント可能です。

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亜鈴
どうも、Webライターの亜鈴です。このブログは別に大したものではなく、自分が感じたことや思ったこと、おすすめしたい商品など、色々なことを自由に書き連ねていく場所、つまり日常譚です。自分の経験が誰かの役に立ったら嬉しいなぁ。