【物語は次のステップへ】灰と幻想のグリムガル「level.14+」の感想

どうも皆さんこんにちは、グリムガルガチ勢の亜鈴(あれい)です。

本日2019年3月25日、グリムガルファンにとって待望の最新刊が発売しました!と言っても、今回はグリムガル初の短編集ということで、「level.14+」という表現がされています。ナンバリングタイトルではなく、あくまで付随的な作品という位置付けです。

・・とはいっても、今回はようやく、とうとう、ついに「あの男」が帰ってきました!ということで、非常に楽しみにしていたので、早速読んでみた感想をレビューしていきたいと思います!

亜鈴

1万字を優に超える大ボリュームとなってしまいましたが、最後までお付き合いいただけると嬉しすぎます!

「level.14+」の概要とあらすじ

まずは「level.14+」の概要とあらすじから語っていきます。感想だけを知りたい人は飛ばしてしまってOKです。

グリムガル初の短編集

本作品はラベリングの「14+」という表現からもわかるように、ナンバリングタイトルではなく、あくまで本編の付随的な作品となっています。そしてどんな内容を扱っているかというと、具体的には以下の4ストーリー。

14+の収録エピソード
仮面友情
旅を続けるランタの悪戦苦闘を描く
お願いだから、あと少しだけ
アニメのBlu-ray購入特典。マナト主人公
今日はおやすみ
アニメのBlu-ray購入特典。ユメ・シホル主人公
さらば愛しきゴブリガル
アニメのBlu-ray購入特典。ハルヒロパーティー全員がゴブリンとして生きる。

以上を見てわかるように、本作品は4ストーリー中3ストーリーがアニメBlu-rayの購入特典ということで、かなりの省エネ作品だということがわかります。

筆者はもちろんアニメの円盤購入済みなので、単純計算で本作品の75%は読了済み。よって、内心はちょっと複雑です。。(笑)

しかし、逆に円盤を購入していない方々からすれば、特に違和感なく購入できる作品だと言えます。特にマナト主人公の「お願いだから、あと少しだけ」は、本当にマジで良い作品です。マナトという人間の本質に迫る貴重な「史料」となっているので、絶対読んだ方がいい。

「仮面友情」で遂にランタ復活!

そしてそして、残りの25%を占めるのが、あの男「ランタ」目線で語られる書き下ろしストーリー「仮面友情」。筆者はこの25%のために本作品を購入したわけなのですが、700円払う価値あるでしょ、絶対って思ってました。

だって、ランタがやっと出てくれるんですよ。。(個人的な)グリムガル最高傑作「level.7」で描かれたダルングガル編が終わり、ようやくオルタナへと戻れる・・と思っていた矢先に、色々あってランタがパーティーから離脱。

そのあとは誰かが加わったり、誰かが離れたりあったわけですが、ランタについてはタカサギから命からがら「逃亡」する様子が描かれただけでそれっきりでしたので、個人的には待ちくたびれました。十文字先生焦らしすぎやで。

「仮面友情」が本編にどう絡んでくるのか

また、上記のようなランタの近況が知りたいという以外にも、「仮面友情」が与える本編への影響もものすごく気になる点です。

というのも、ランタに加え、本編の方も大変なことになっているから。14巻のネタバレになってしまいますが、現在ハルヒロたちは「パラノ」という世界から命からがら脱出したものの、ひよむーと謎の人物により再び「アウェイク」した段階です(要するに記憶喪失)。

したがって、グリムガル史は現在大きなターニングポイントを迎えているので、「仮面友情」がこの辺りの詳細をどう語ってくれているのかも注目ポイント。

正直言って、この後の展開がマジで全く予想できないので、全ては十文字先生の口から語られる情報を読み解いていくしかない現状です。早く先を知りたいものですが、この先が見えない「ワクワク感」がたまらないので、やっぱグリムガル最高やな。

亜鈴

13・14巻の「パラノ編」は、評価がズタボロで酷評されまくっていたが、ようやくグリムガルらしさが帰ってきた気がする。早く先が読みたい。こう思わせてくれる作品は、現在グリムガルただ1つだ。

「level.14+」を読んだ感想

あらすじと概要について一通り語ったところで、ここからは14+を読んだ感想について語っていきます。

本当は4つのストーリー全て語りたかったのですが、上述したように4つのうち3つは円盤の購入特典だったため、2年前くらいに読了してしまっているんですよね。なので、この記事では唯一の書き下ろし「仮面友情」にフォーカスしてレビューしていきたいと思います。

全体のストーリーについて

まず最初にストーリーからですが、衝撃の事実が結構色々出てきた印象を受けました。先に語ってしまうと、

  • 「仮面友情」の時間軸はハルヒロたちと別れてから3年以上経過後
  • レスリーキャンプの「レスリー」は不死族王の側近
  • 人間とオーク・不死族の戦争が始まった

目ぼしいものはこれくらいですね。順番に感想を述べていきます。

1:「仮面友情」の時間軸について

まずは「仮面友情」の時間軸ですが、個人的には1年後とか思ってたんですよ。でも蓋を開けてみたらなんと3年後、マジか、マジかと。

まあでも、「仮面友情」を読んでいて、気になった点はいくつかあったんですよ。何よりも「ランタが強すぎる」という点が引っかかりました。

だって、オーク3体を1人で軽々とヤってますからね。ハルヒロたちと離れた時のランタは、オーク1人と切り結ぶだけで精一杯レベルだったと思うので、異様な成長ぶり。ということで、

亜鈴

なんか色々インフレしてね?

とか思っていたのですが、3年後ということなら全然OKです。

さて、ここで気になるのが、本編との時間軸の兼ね合いですよね。具体的には「仮面友情」が本編のどの時間軸と一致するのかということ。

確認のため、ここで一旦ハルヒロパーティーの動きについて復習してみましょう。

  • グリムガルへ転生
  • 旧市街・サイリン鉱山
  • デッドヘッド監視砦
  • ワンダーホール
  • ダスクレルム
  • ダルングガル
  • サウザンバレー(ここでランタOUT)
  • ジェシーランド
  • エメラルド諸島
  • 自由都市ヴェーレ
  • レスリーキャンプ
  • パラノ
  • オルタナ(多分)

こう見ると、ランタと別れてからそれなりに時間たってそうですよね。ただ・・、3年は経ってないと思うんだけど、皆さん的にはどう感じます?

個人的な謎ポイントが、パラノに滞在していた時間です。あの世界は色々とキナ臭くて、蓋を開けたら5年経過してたみたいな展開になっても違和感ありません。まあ多分それはないと思うのですが、1年くらいは平気で経過していてもおかしくないよね。

そもそもパラノの時間とグリムガルの時間が同じとは限らないし。わかりやすく言えば、ドラゴンボールの精神と時の部屋みたいな、そんな感じです。

よって、これから多分ランタはオルタナへと帰還すると思われますが(仮面友情は、ランタがオルタナへと帰る物語のため)、オルタナへと帰った際に果たしてパラノ行きを回避したユメを除いたハルヒロパーティーと会うことができるのでしょうか?もし会ったら、多分その時はハルヒロパーティーは記憶ないと思うので、その辺の絡みも楽しみです。

2:レスリーキャンプのレスリーについて

続いてがレスリーキャンプのレスリーについてですね。

亜鈴

レスリーキャンプってなんだっけ?

と疑問に感じるグリムガルファンの方もいると思いますが、簡単に言えばハルヒロたちがパラノへと入ることになったキッカケですね。確か森の中かなんかに大きめのキャンプがあって、そこにケジマン(名前あってるかな?)にそそのかれて入って、結果的にパラノへと足を踏み入れてしまう・・みたいなアレです。

このレスリーというのが怪しかったのですが、この正体が不死族(アンデッド)の王である「イシドゥア・ローロ」の、5公子と呼ばれる5人の側近のうちの1人「キドナァプ・レスリー」であることが判明しました。

人間族の間では「アインランド・レスリー」と呼ばれているみたいですが、通り名として「さらい屋レスリー」ってのがあるみたいなので、レスリーが人をさらうってのは普通に認知されてるみたいですね。

まさかランタもこのレスリーの手でユメを除いたパーティーの面々がとんでもないことになっていたなんて、夢にも思わないことでしょう。

さて、正体がわかったレスリーですが、どうして人をさらうのでしょうか?最も単純に考えるなら、単純に、

「人間を不死族に取りこむためにさらう」

ってのが大目的でしょうね。「仮面友情」中では、上述した「イシドゥア・ローロ」という不死族の王に加え、レスリーを含めた5公子、合計6人?6体?が人間に血を分けることで、不死族にできるという記述があったので、キャンプからパラノへと「誘拐」し、パラノでトリックスター化させてから不死族にする・・みたいな、そんなシナリオが頭に浮かびます。

素人考えというか、直線的な思考ですが、この線は結構あるんじゃないかなーと思うのですが、一方で気になる点もあるんですよね。

というのも、パラノでハルヒロと一緒に行動していたアリスを始めとした「人間たち」は、グリムガルから転生したのではなく、「ハルヒロたちが元々いた世界(現代)」と思われる次元からパラノに「迷い込んだ」ことが描写されているんですよね。

なので、もしパラノという世界がレスリーによるものだとするならば、レスリーは、

  • グリムガル
  • 現代

以上2つの次元にアクセスする手段を持っていることになります。もしこの仮説が正しいとするならば、レスリーが、もっと言えば不死族が現代へと「帰る」鍵を握っている可能性が浮上。

そしてこの可能性は、「現代へとつながる鍵を手に入れるために」ソウマが立ち上げた「暁連隊」が、不死族の本拠地である「アンデッドDC」へと突入することを目的としていたことと合致しますよね。

以上より、「仮面友情」のレスリーに関する記述から、今後の展開、言い換えれば「グリムガルの着地点」に不死族が大きく関わってくることが予想できました。ほんと、不死族ってキナ臭いです。

亜鈴

いつか味方の誰かが不死族にされるみたいな、そんな展開もあるんじゃねえの?いや・・、もしかしたら、もう既に不死族化されているのかもしれません。たとえば、メリィとか。

3:戦争について

「仮面友情」では、戦争についての記述も結構進んでされていた印象があります。

これまでの話で人間族を大きく巻き込んだグルムガルでの戦争、言い換えれば「種族間の縄張り争い」について、以下のことがわかっていました(各記述は時系列に沿っています)。

  1. 人間族が幅を利かせていた
  2. 人間族を後退させるために、不死族を含めた各種族が「諸王連合」を作る
  3. 「諸王連合」が瞬く間に人間族の3拠点を制覇し、オークが不死族王を諸王連合の皇帝に即位させる
  4. 「死なないはずの」不死族王が突如死んで崩御。後継者不在で諸王連合は瓦解
  5. 瓦解した各種族がそれぞれ縄張りを固定化する
  6. 人間族がオルタナに前線拠点を作る(原作1巻はこの辺り)

※「諸王連合」の構成は、不死族・オーク・コボルド・ゴブリン・灰色エルフ(エルフの反乱族)

なんで不死族王が突然死んだのかとか色々気になる部分はありますけど、それは置いておいて。こんな感じのことがあって、ハルヒロたちがグリムガルへと来た時には、前線拠点「オルタナ」が既に設けられていたわけです。

で、瓦解した諸王連合の各種族のうち、弱い地位だった、

  • ゴブリン
  • コボルド

が人間族に近い位置に追いやられたというわけ。だから、オルタナに近いダムロー旧市街やサイリン鉱山に、彼らが拠点を設けてるってことがわかります。そしてハルヒロたち義勇兵は、ゴブリンやコボルドを殺すことこそが、唯一の生活を営む方法と「教育」され、知らぬ間に人間族の「駒」として利用されるってイメージ。

逆に旧連合の中でも強い地位を占めていた不死族とオークは、人間族からより遠い「本土」に拠点を設けています。方角で言えば「北」ですね。

さて、ちょっと長くなりましたが、以上がこれまでわかっていたグリムガル全体の勢力図みたいなものですが、ここに新たに加わる情報が「仮面友情」にて追加されました。それは、

「前線基地オルタナを”侵略”とみなし、旧連合のうち不死族とオークが人間族に戦争を仕掛けた」

というものです。思い出してみると、確か原作2巻(多分)でオークがオルタナへと殴り込んできたことあったじゃないですか?ハルヒロが死にそうになったところに、レンジパーティーが現れて、オークぶっ倒したあれです(ちなみにアニメでは尺の都合上扱われてません)。

また、オルタナの目と鼻の先に、オーク族の牽制拠点「デッドヘッド監視砦」を設けていたことからもわかるように、オルタナはオークとか不死族とかから明らかによく思われてないですよね。

こういったことを考えると、私たちは「ハルヒロ視点」で物語を生きてきましたが、全体の視点で考えればこの戦争は容易に予測できた気がします。

そしてこの戦争がどうやって始まったかというと、まずはエルフ族の拠点森の都アルノートゥ、通称「影森」が火攻めされていることが「仮面友情」により描写されます。灰色エルフを除いたエルフ族は、どちらかというと人間族側に属する種族なので、そこが狙われたって感じですね(エルフは排他的で中立だが、諸王連合立ち上げの際に種族として加わらなかったので、不死族・オークからすれば”敵”となる。逆に連合に与したエルフが”灰色エルフ”と呼ばれる)。

ここが落ちたら、次はオルタナ。そして「人間族の本土」が狙われることになるでしょう。んー、なかなかにシビアな情勢ですね。

多分ですが、今後はパーティー単位というよりも、「族単位」での描写がされることが多くなると思います。それに伴って、人間族の国家側の人間とかも出てくることになるよね、きっと。スケール感が一気に広がりそうなので、インフレが起きないことを祈りましょう。

キャラや今後についての考察

続いて「仮面友情」における各キャラクター考察について語っていきます。

ランタ

まずはやっぱりこの男、ランタです。ランタは13巻のボイスドラマぶりの登場でしたが、まず目についたのが彼の強さです。

上述したように、オーク3体と1人で戦っても余裕で勝っちゃいますし、相当レベルアップした感があってスゴイ。特に目を見張ったのが暗黒騎士のスキルですね。

もともとランタは暗黒騎士のギルドに属する人間だったのですが、もっぱら使っていたのは排出系(イグゾースト)、射出系(リープアウト)などの俊敏性を活かしたスキルで、

  • 暗黒病毒(ドレッドベノム)
  • 暗黒波動(ドレッドウェーブ)
  • 暗黒闘気(ドレッドオーラ)

このような・・、なんていうんでしょう?ゲームだとジャマー系、バフ(デバフ)系と呼ばれるようなスキルについては、それほど使用してきませんでした。

しかし、「仮面友情」におけるランタは、排出系などのスキルはもちろんのこと、これらのスキルについても巧みに使いこなしています。しかも、灰色エルフ「ウェゼル」を守るためのオーク戦では、暗黒病毒と暗黒波動を組み合わせた「暗黒病毒波動(ドレッドベノムウェーブ)」という合わせ技を駆使して、軽々と撃破しているのだから驚き。

劇中でも「スカルヘル」という言葉を頻繁に使用することからもわかるように、すっかり暗黒騎士として生きていることが見て取れました。

また、ゾディアックん、もとい「ゾディー」もめちゃめちゃ強化されてるし。影森での木人(トレント)戦では、硬い守りの外郭を真っ二つにぶった切るほどの力を示しており、かつてのゾディアックんの弱々しさは全くないです。

ただ、ランタのことを「ヴァカ」などと罵るのは変わらず。でもランタの言うことはちゃんと聞くからエライよね。従順というか、なんだかんだランタと良い関係を築いているのだと思います。

そして、ランタの人間としての成長についても見逃せません。そりゃ3年以上も独りで生きてきたわけですからね、成長していて当然ですが、独りで生きてきたからこその成長が見て取れる。

それを象徴するシーンが、2つあったと思います。1つ目はウェゼルと洞窟内で話していたワンシーン。ウェゼルにグリムガルを取り巻く情勢について教えてもらっている際に、

「ありがとよ、ウェゼルレッド。オレは実際、あまりにも知らなすぎる」

引用:灰と幻想のグリムガルlevel.14+ – オーバーラップ文庫 – 十文字青

といったセリフを漏らすのですが、このセリフからランタ自身の主体性を読み取ることができます。

例えば、ハルヒロパーティーの面々は、どんな時もパーティーで行動するため、その行動原理は「パーティー全体を守ること」に帰着します。特にハルヒロパーティーの面々は、誰もが「フォア・ザ・チーム」の精神で生きているため、なおさらです。

それゆえ、彼らは仲間と生きることこそが大目的になるので、生きていく上での「主体性」は損なわれがち。実際、ハルヒロについての描写の中でも、仲間に強く依存している部分が数え切れないくらいありましたよね。他のメンバーについてもそうです。

しかし、ランタは違う。そもそものパーソナリティとして、彼は「強い」人間です。たとえパーティーのメンバーと散り散りになっても、なんだかんだで前にグングン進んでいける、それがランタ。

そんなランタが文字通り3年も「独りぼっち」になったわけですから、そりゃ成長するよねって話です。そして、上述したセリフからは、「自分の人生は自分で決めたい」という強い意志が見て取れるというか、人生に対して責任感を持っている印象を受けました。

仲間がいない、周りに頼れる人間がいないというのは、ある意味ではとても悲しいことですが、ある意味ではとても幸運なことかもしれません。ランタを見ていると、そう思わずにはいられないです。

さて、続いてのランタの成長が見て取れたシーンが、影森に入った直後のワンシーン。

「いや、自慢ではないこともなかったりするが、たいていのことには耐えられる。ランタには経験があり、それが裏付けとなって、ちょっとやそっとでは揺らがない自身を形作っている。」

引用:灰と幻想のグリムガルlevel.14+ – オーバーラップ文庫 – 十文字青

これも非常に頼り甲斐のある描写ですよね。パーティーに属している場合、たとえ大きなミッションをこなせたとしても、それが自分の自信に100%繋がるかと言われれば、決してそんなことはないと思います。

逆に、「アイツはすごいのにオレは・・」といった具合に、嫉妬や劣等感といった「ノイズ」に苛まれることすらあるでしょう。

しかし、独りで生きていくと、苦労した分が100%「自信」という形で返ってくる。だから、ランタは「揺らがない自信」を持つことができたのでしょう。

筆者の話になってしまい恐縮ですが、私はフリーランスという、まあ自営業的な感じで生きている人間です。したがって、このようなランタのライフスタイルと自分の人生を、どこか重ねてしまう部分があります。

フリーランスは全ての業務を独りでこなさなければいけないという、なかなかにハードな仕事なので、心が折れそうなこともしばしばです。税金とかもめっちゃ高いしね。

それでも、ランタを見ていると、

亜鈴

とりあえず前向いて頑張ってみるか

と思えるから、やっぱりグリムガルってスゴイ。ぶっちゃけ、僕も十文字先生と同じで、ランタのことは嫌い「でした」。しかし、level.14+のあとがきにあったように、「仮面友情」を読んでいたら、ちょっとだけ「かっこいい・・」って思った自分がいました。

なんかおかしい。ランタは世界中全ての人間に嫌われる人間じゃなきゃランタじゃない。と、僕は思います。なので十文字先生、これからも「嫌われ者」のランタを、ぜひカッコよく描いてあげて下さい。そして、「やっぱこいつ嫌いだわ」と、再び思わせて下さい。と、お願いしたいですね。

亜鈴

劇中で、ランタはユメのケツでもいいからもう一度拝みたいと言っていた。なんだかんだで、ユメのこと大好きなんやね。

ウェゼルやエルフたち

続いてランタと行動を共にした、ウェゼルを含めたエルフたちの考察です。

ウェゼル、本名「ウェゼルレッド」は、呪医(シャーマン)ですが、いわゆる「安楽死」を専門とするシャーマン。よって、当然色々なところから怨みを買うことになり、ランタと出会った時は命を狙われていました。

そこで「南(オルタナ)へ進みたい」というランタと目的地「影森」の方角が同じだったので、利害が一致し、ランタがウェゼルを助けてそこから影森まで行動を共にします。

そして、ウェゼルが影森へと行く目的ですが、これは森にいる、

  • 妻:アローリャ
  • 娘:レァーヤ

この2人に、不死族とオークの連合が影森に戦争を仕掛けることを知らせ、助けることだったわけです。しかし、ウェゼルは上述の「灰色エルフ」なので、森内では裏切り者として認識されています(諸王連合に与したエルフだから)。

それでも、影森に向かうわけですから、彼の妻と娘への思いの強さが見て取れますよね。

さて、私がここで語りたいのは、ウェゼルのことではなく、影森にいるエルフ内部についてです。上述したように、ウェゼルには妻と娘が存在していますが、注目して欲しいのは妻の「アローリャ」です。

彼女は「仮面友情」の中の娘「レァーヤ」のセリフ中で、「六呪のランドゥロワル家の長女」であることが判明しています。六呪と言われてもピンとこないと思いますが、この辺はグリムガルのスピンオフ「大英雄が無職で何が悪い」にて、

「六呪は七剣、五弓と並ぶ、アルノートゥの名家・・!」

引用:大英雄が無職で何が悪い 01 – オーバーラップ文庫 – 十文字青

というミリリュの言葉からもわかるように、簡単に言えば貴族的なアレですよね、めっちゃえらい家柄みたいなのがエルフ界だと、

  • 六呪/li>
  • 七剣
  • 五弓

これらになるわけです。そんなミリリュも七剣の「メルキュリアン家」に生まれた継女なのですが、禁止薬物のチョコレートを食い過ぎて、エルフらしからぬエロい身体つきになっちまったのだ。(ちなみにミリリュは12巻に出てきたモモヒナ海賊団の実質的な長「キサラギ」の御付き人であり、このキサラギこそが「大英雄が無職で何が悪い」の主人公)

そして、そんな偉い六呪の家柄に生まれたウェゼルの妻「アローリャ」でしたが、名家のプレッシャーに押しつぶされ森を出て、その結果道中で出会ったウェゼルの子を成して、出産するために影森へと戻ったわけです。(しかし、娘のレアーリャは裏切り者の灰色エルフの子供だから、虐げられている)

しかし、一度森から出たわけですから、当然「継女」として資格は失っており、その代わりに「ランドゥロワル家」の継女として育てられたのが、(多分)次女の「アリャレア」になります。

彼女は「大英雄」にてキサラギとミリリュが影森へと足を踏み入れた際に、ボロクソに2人をこき下ろしたのですが、ミリリュを含めたキサラギパーティーが影森に住むキマイラを殺す「祓禍の儀」という難易度MAXレベル(成功しない前提で挑んだ)の儀式を成功させた後は態度を変え、満身創痍だった彼らをランドゥロワル家の継嗣として治療したツンデレエルフです。

そして、上述した「祓禍の儀」はリーリヤという七剣「シュトラルム家」のエルフも成し遂げており、このエルフこそがソウマパーティーの「リーリヤ」になります。

と、以上をまとめると、

エルフまとめ
ミリリュ
七剣「メルキュリアン家」の継嗣であり、現在はキサラギパーティーの一員。
リーリヤ
七剣「シュトラルム家」の継嗣であり、現在はソウマパーティーの一員。
アローリャ
六呪「ランドゥロワル家」の継嗣だったが、重圧を嫌い森を出た。現在はウェゼルの妻、レァーヤの母。
アリャレア
六呪「ランドゥロワル家」の継嗣。恐らくアローリャの妹で、キサラギパーティーと面識あり。
ウェゼル
灰色エルフ。現在はアローリャの夫であり、レァーヤの父。
レァーヤ
ウェゼルとアリャレアの子供
ウェルドルンド
ウェゼルの弟。現在はフォルガンの呪医。

このような相関が出来上がりました。言い忘れていたのですが、「仮面友情」において、フォルガンのシャーマン「ウェルドルンド」がウェゼルの弟であることも発覚しました。

とまあ、以上のように、スピンオフの「大英雄が無職で何が悪い」の方も話に絡んできたので、いよいよ広げた風呂敷が少しずつ回収されてきています。

ただ、まとめてみて感じましたが、エルフの社会ってめんどくせぇ・・(笑)エルフって基本排他的ですから、陰湿で世間体をめちゃめちゃ大事にする感じですよね、きっと。

だからこそ、七剣とか六呪などの名家が今尚力を持っていると思うのですが、その子供はかわいそうです。結果的にミリリュも死のうとしてますし、アローリャも重圧を嫌って森を一度出ています。で、結果的に次女のアリャレアが多分チヤホヤ育てられて、めちゃめちゃ性格悪くなったんでしょ。

もう書いているだけでストレスフルなエルフ社会ですが、さらに「長命」ですからね。何百年って生きるので、嫌気がさして大樹から飛び降りて自殺するエルフも年間数人はいることが「大英雄」の方で描写されています。なんだか、日本社会みたいですね。。

亜鈴

ちょっと何が言いたいかパッとしなかったが、要するに大英雄の方の情報とリンクする部分が色々出てきたってこと。こういったことからも、グリムガルの世界観が一気にスケールアップしていることがわかるだろう。

今後について

最後に今後についてですが、こればっかりはサッパリわかんねー。。って感じです。割とマジで、皆さんの意見を聞いてみたいと思っているので、是非是非コメント欄にコメントしていただいて、活発に議論を行なっていきたいなと思っている限りです。

さて、現在与えられている数少ない情報を頼りに、今後について考えてみますか!

まず本編における最新刊「level.14」では、パラノから命からがら脱出したハルヒロは、ひよむーと謎の男により記憶を消されるわけですが、一連の描写からヒントを探していきましょう。

まず確定した事実として、

「レスリーとひよむーはグル」

これがあげられますね。これはlevel.14(+ではないです)の最後のハルヒロの、

「そういえば、・・レスリーキャンプで、・・聞いた声も、・・そうだ、・・あれも。ひよむーの声だ。」

引用:灰と幻想のグリムガルlevel.14 – オーバーラップ文庫 – 十文字青

という記述からもわかります。つまり、(おそらく)人間族であるひよむーと、不死族王の側近である「キドナァプ・レスリー」が手を組んでいるということになるので、この事実がどれだけ大きなものかがわかりますよね?スパイってことでしょ、ひよむーは。

同時に、level.14の最後に出てきたひよむーの「ご主人様」が、多分レスリーってことになるんでしょうか?これは推測の域を出ませんが、普通に考えればレスリー説が濃厚・・なのかなー。でも、仮にレスリーだとするなら、5公子の特権を使って不死族の血を分け与えて不死族にするはずなので、投薬により記憶喪失をさせってるって考えると、やっぱりレスリーじゃないのかな。わかんねえや(笑)

ただ、仮にレスリーだとしても、考えても考えても、レスリーが人間をアウェイクさせる意味が分からないんですよね。だって、アウェイクした人間は、結局義勇兵となるじゃないですか?そうなると、オルタナの戦力となって、結果的に人間族にメリットがいくようになる。

しかし、レスリーは人間族の敵である不死族王の側近なので、そんなことする意味あるっていうか、バレたらワンチャン殺されるレベルのことなんですよね。

よって、仮にレスリーがアウェイクをさせている首謀者だとするならば、現時点では明らかになっていない、「個人的or組織的な思惑」があるんだと思います。

ただ、どうしても解せないのが、パラノという世界の役割についてです。原作を読んでいる人ならわかると思いますが、レスリーキャンプとパラノは直線的につながっています。そして、恐らくハルヒロたちがもともといた「現代」も、パラノにいたアリスたちが直接現代からやってきたことからもわかるように、直線的につながっています。

だとすると、「この先」が見えてこない。だって、ハルヒロたちがパラノを抜け出せたのは、王様である「蓮音(レオン)」の化けの皮を剥いで、「扉」をくぐることが出来たからであり、仮にパラノ経由でレスリーキャンプから人間族を「集めている」のだとしたら、今までパラノへ行った人間は1人もグリムガルへと帰ってきていないことになるからです。

まあ、パラノに「扉」以外にも、グリムガルへとアクセスする手段があるのかもしれませんが、とりあえず現時点ではパラノという世界の意義というか、仕様が不明瞭すぎてなんとも言えないですね。

まとめ

ということで、まとめです。結局、先のことが気になりますね。。(笑)めちゃめちゃ楽しみで、早く本編の新刊が出て欲しいものです。

あとがきによれば、次はユメ主人公のお話みたいなので、話はそれほど進まないのかな?できればテンポよく進んで欲しい・・

本編最新刊のlevel.14についても、もしよかったらレビューを見てみてください!

灰と幻想のグリムガル14巻の感想|とんでもないことになってきたぜ・・

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!当記事に登場した書籍は以下になるので、もしよかったらチェックしてみてくださいね!

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