灰と幻想のグリムガル14巻の感想|とんでもないことになってきたぜ・・

全国のグリムガルファンの方々、あるいはグリムガルに興味を持った方々、遂に待ちに待ったグリムガル14巻が平成最後の年の瀬に刊行されました。

いや、待ちに待ったとか言ってますけど、正直そんなに待ちに待ってなかったです。というのもね、正直13巻がちょっとアレだったので、個人的には

オタ星

俺が好きだったグリムガルはもう終わっちまった・・

って感じでした。なので、ハッキリ言って今回の14巻は買うかどうか迷ったレベルで楽しみにはしてなかったです。アニメを4回くらい見て、円盤も買い、原作は5回くらい通して読み直したくらいにはグリムガル好きでしたが、なんかね。。(問題の13巻のレビューもしてますので、よかったら見てみて下さい)

【最速レビュー】灰と幻想のグリムガル13感を読んだ感想。迷走してる感が否めない・・

まあですが、ここまできたのだからと若干の惰性も混みで14巻買いましたよ、ハイ。そしたらね、とんでもないことになってたから、そりゃレビューするしかないよねと、まあこんな感じですね。この「とんでもない」という表現が具体的にどういうことなのかは、このレビューを読んでほしいなと思います。

というわけで、グリムガル14巻のレビュー、最後までお付き合いしていただければ幸いです。(この記事は14巻完読後に書いているんだけど、グリムガル読んだ後はどうしてもグリムガルっぽい喋り口調になっちゃうの恥ずかしい)

注意
このレビューは1章以外では盛大なネタバレをしております。14巻を未読の場合は2章以降で盛大な事故に遭う恐れがあるので、この点ご了承ください。

追記:グリムガル14巻の続編「level.14+(短編集)」が発売しました!早速レビューをしているので、気になる方はチェックしてみてください!

【物語は次のステップへ】灰と幻想のグリムガル「level.14+」の感想

グリムガル13巻までのあらすじ

ということでまずはネタバレなしの13巻までのあらすじからチェックしていきましょうか。

ここに興味がない方は読み飛ばしてしまってOKです。

脱パラノを目指して

まずはここまでのザックリとしたあらすじですが、まとめてみるとこんな感じ。

  • グリムガルへ転生
  • 旧市街・サイリン鉱山
  • デッドヘッド監視砦
  • ワンダーホール
  • ダスクレルム
  • ダルングガル
  • グリムガル
  • パラノ(NEW)

このブログでも何度も言ってますが、個人的にグリムガルで一番好きだったのは「ダルングガル編」ですね。もう10回は読み返しています。詳細は省きますが、とにかくアレはすごかった。ダルングガル編は原作で言うと「7巻:彼方の虹」で、コアなグリムガルファンの間でも「名作」と名高い一作となっているので、まだ読んでいない人は一度読んでみて欲しいってのが筆者のホンネ。

そこからグリムガルへと戻ってきて、よっしゃこれからオルタナへ帰還や!というところで、まさかのランタがロストでセトラがIN。さらにメリィさんに関しては「一回死んで」、色々あったけど命からがら再出発!ってとこで、今度はスピンオフ「大英雄が英雄で何が悪い」御一行とクロスオーバーします。

そんでハルヒロが英雄になって、ユメが離脱。おいおいマジかよ勘弁してくれよってとこでまさかの再びの異界(パラノ)突入・・ってのがこれまでの流れ。(抜けてたら教えてください)

なんか、テンポ悪いですよね。スパッとオルタナへと帰って欲しかったわけですが、結局そうはならず。まあでもパラノ編終わったらようやく帰るんでしょ?って感じで、14巻を買った人が多いのではないでしょうか?

14巻の見どころ

さて、簡単なあらすじを紹介したところで、ここからは14巻の見どころを読んでいない体で、つまりネタバレなしで書き連ねていこうと思います。

批判殺到のパラノ編をハルヒロ御一行はどう乗り切るのか

まず1番気になるのが、批判殺到のパラノ編を十文字先生・・、もといハルヒロ御一行はどう乗り切るのかですよね。

13巻のレビューでも触れましたが、あれは控えめに言っても酷かったし、amazonのレビューを見てもハッキリしています。

直近7巻の評価
7巻:ダルングガル編
(4.0)
8巻:ランタロスト前編
(4.0)
9巻:ランタロスト後編
(3.5)
10巻:ジェシーランド後編
(3.5)
11巻:ジェシーランド後編
(3.0)
12巻:キサラギ御一行編
(3.0)
13巻:パラノ編
(2.0)

見てわかるように、筆者が至高と感じている7巻の星4つから、右肩下がりで落ちてきているんですよね。こうなった理由は明白で、我々がグリムガルに望んでいる「グリムガルらしさ」が徐々に失われ、さらに「オルタナへ帰還」という大目標に至るまでのテンポが余りにも良くなかったから。

ただ、ようやくキサラギ御一行ともお別れして(ユメも・・)、オルタナへと向かうんだろうな!!!!ってルンルンだったわけなのに、そこでまさかの13巻でパラノ行きですからね、そりゃええ・・ってなりますよって感じです。

しかもそのパラノがまたアレで、今までのグリムガルらしさを微塵も感じられない場所で、なんというか

グリムガルのワクワク感

が皆無で、代わりに各キャラの内面的な部分に踏み込んでいくというお話でした。

オタ星

どこかでこういった具体的な心理描写は必要だったかもしれんけど、こういった形でなくてもよかったのでは?

ってのが筆者のホンネで、具体的な話は13巻のレビューに譲りますが、正直読んでいて辛かったです。(シホルのおっぱいは最高だった)

というわけで、ここまで右肩下がりだったグリムガル、さらにパラノという文字通り「魔界」へと入り込んでしまったハルヒロたちは、ここから一体どうするのかというのが14巻の見どころというわけであります。

果たしてグリムガルへと帰れるのか?

また、14巻の見どころの1つとして「グリムガルへと本当に帰れるのか?」という点もありますね。見どころというか、不安ですが。

13巻を読んだ人ならわかると思うんですけど、パラノってなんか胡散臭いじゃないですか。具体的に言うと、

  • アリスみたいな鮮明な日本時代の記憶を持ってる人物がいる
  • 「鈴木さん」っていうまんま日本の名字の人がいる
  • 世界観が人物の内面をえぐり取る「グリムガルらしくない」雰囲気

このようなものがあげられますが、端的に言うとパラノ全体から日本とは別世界に存在する今までのグリムガルを否定するような、そんな印象が見受けられるんですよね。なので、

オタ星

グリムガルへと帰れないんじゃないの?

っていう一抹の不安を抱いてしまう自分がいる。または、今とは違った形でグリムガルへと帰っちゃうんじゃ・・?みたいな恐怖。誰かが死んじゃったりとか、その辺ですよね。

1つハッキリ言えることは、パラノ編という明らかに「グリムガルの読者受けしないようなステージ」を2巻分も設けたわけですから、ここに来る前とあとで明確に異なる何かが生まれることは確定的だということ。

そして「明確に異なる何か」が吉と出るか否かは読んでみないとわからない・・ってのが14巻の見どころでもあるわけです。

以上より、パラノ編をどう着地させるかは、今後のグリムガルの明暗を分ける超重要なターニングポイントになることは間違いないので、その結果を皆さん自身の目でしかと見届けてみてください!

個人的にはこの14巻、2018年流に言えば

オタ星

十文字先生ハンパないって、あの人ハンパないって。ここまでのテンポの悪さを全て帳消しにするくらい、最高の着地を14巻で成し遂げたもん。そんなんできひんやん、普通。

って思いました。好き嫌いは分かれるかもしれませんが、少なくとも筆者は非常に良い着地をしたなと思っています。今後の展開が非常に楽しみで、ワクワクが止まらない。グリムガルが帰ってきたぞぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!

グリムガル14巻を読んだ感想

さて、ここまででグリムガル14巻のあらすじや見どころをザックリ紹介してきましたが、ここからは完全ネタバレ有りの14巻を読んだ感想について書き連ねていこうと思います。

まだ一回しか読んでいないので所々あやふやな箇所があったりすると思いますが、事実関係で何か間違っている点などあればコメントにて教えてくださると嬉しいです。

ストーリーに関する感想

まずはストーリーに関する感想から。

13巻とは打って変わってまとまったストーリー

14巻全体のストーリーを俯瞰して見てみると、支離滅裂だった13巻とは打って変わって非常にまとまりのある展開だったなと振り返っています。

14巻で登場する主な新キャラは以下の通り。

  • アヒル
  • イオ
  • トンベエ
  • ゴミ
  • レオン
  • グリムガルの黒幕

特にアヒルと王さまレオンに関しては心理描写が丁寧にされていて、ストーリーにしっかり関わってくれたのが良かったかな。ただこれらのキャラの描写がストーリーの間に唐突に挿入され、しかも語り口が完全にキャラの1人称視点なので、正直読みにくいです。テンポも悪い。

パラノということで内面重視の描写をするための演出なのだとは思うのですが、脳にかかる負担が大きくて、この点については今後もうやらないで欲しいってのがホンネ。

と、話を戻して、これらのキャラとハルヒロ御一行との絡みをコンパクトにまとめることが出来ていたので、ストーリー全体のテンポは良かったです。13巻のような荒唐無稽さには全然なっていないので、ここは素直に良かったかな。

4つの能力が最終的に面白かった

ここパラノには、13巻時点で4つの能力がそれぞれの人間に宿ることが明らかになっていました。

  1. ナルシィ
  2. フィリア
  3. ドッペル
  4. レゾナンス

具体的には上4つですが、このシステムが面白かったなーと。

ここパラノにおけるメインテーマはズバリ愛、もっと言えば「自己愛」だと思っていて、この自己愛の発現の仕方で4つの能力が決まってくるのかなと思いました。

4つの能力と自己愛
ナルシィ
自己愛不足で自信がない。ナルシズムという形で自己陶酔。
フィリア
自己愛が強すぎて他者からの愛までをも貪る。シホルがザ・典型。
ドッペル
周囲とは違う「特別感」を自己愛と定義する。常に自分以外の自分になりたいと願う。
レゾナンス
そもそも自己愛に対して関心がない。人生に対して受動的。ハルヒロがザ・典型

まあこれはあくまで筆者の推測ですが、人間って自己愛で性格とか決まってくる部分が大きくて、例えば筆者はこの4つだとドッペルが強いかなと思います。いつも特別になりたくて、常に周りの人間を見下した学生時代を歩んできました。まんま「王さま」ですよね(笑)

ただ結局こんな生き方は全然楽しくないので、結局心を壊して生き方が変わったかな。今はレゾナンスな部分もあるかなって感じ、何もかも受動的で「諦め」が人生の大半っていうか。筆者のお話はこの辺にしといて、こんな感じに「自分だったらどの能力かなー」って考えるのも面白いと思いました。

で、この中の4つだと圧倒的にレゾナンスが貴重なわけです。誰だって自分が可愛いわけですが、レゾナンス持ちのハルヒロは自分よりも他人。しかも、「自分がいい人になりたいから他者貢献をする」ってわけじゃなくて、

「本当に心の底から他者のために生きることができる」

のがハルヒロなわけです。これはね、なかなかできることじゃないですよ。良い悪いの話ではなく、とても貴重。だからこそ、物語の最後で王さまの意識外へと「隠密(ステルス)」することが出来たわけですし、ハルヒロのどこまでも他者依存な性質が、パラノのラスボスを倒すに至ったのだからスゴイ。

そして、ここまでのストーリーが秀逸だったなと思うわけですよ。こういった「自己愛」みたいな重いテーマをラノベで扱う場合、大抵がいわゆる「鬱展開」になりがちで、クッソみたいにつまんなくなるんです。(まあグリムガルではそれが13巻だったわけですが)

でもでも、だからといって重いテーマは避けて通れない道でもあります。なぜなら、グリムガルのような10巻を超えるようなラノベになってくると、さすがにキャラクターの内面描写をガッツリ行わないと、物語全体が紙っぺらになってしまうから。それを十文字先生は内面を「能力」という形で発現させ、さらにハルヒロの主人公とは思えないほど受動的な性質が、最終的にラスボスを倒すに至るキッカケへと昇華させたわけです。

個人的には、これぞグリムガルって感じ。グリムガルとはハルヒロの煮え切らない感じが魅力なわけですが、それが武器になってラスボス倒しちゃうわけですから、グリムガルっぽさが感じられて好きでした。

ヒヨムゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ

ストーリーについてあと言及したいのが、ラストですよね。いや、本当に。

突然ですが、皆さんはひよむーを覚えてますか?アニメ版には確か出てきていないのですが、グリムガル1巻と「大英雄が無職で何が悪い」の1巻にそれぞれ登場した、グリムガルに「出現した」人間をオルタナ義勇兵事務所まで連れて行く女の子です。

何しろ物語の一番最初に出てくるハルヒロたち以外の最初の登場人物ですから、覚えていない人もいるでしょう。筆者の印象としては、喋り方がやたらめんどくさい女の子って感じです。

こいつと黒幕らしき人物がパラノから必死で脱出したハルヒロたちとどういうわけか接触して、薬物投与ですよ。記憶なくして「リセット」させる薬物で、ハルヒロたちは再び

「目覚めよ(アウェイク)」

ってのが14巻のオチ。「まるでゲームみたいに」リセットかまされますが、ハルヒロたちを知る人間、例えばユメとかレンジとかは、記憶をなくした彼らを見てどういう風に思うのでしょうか?

で、個人的には

オタ星

ヒヨムゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ、お前マジかよ・・・・・・・

って感じです。いや、物語の展開的には面白かったので全然いいんですけど、まさかひよむーがこういう形で関わってくるとはね、そりゃビックリしますよ。

こういう展開になってくると、この先どうなるのか気になって仕方ない。詳細は後ほど語る予定の「今後の展開」の部分でタップリ喋りますが、ほんとどうなっちゃうんでしょうか。。ひよむーお前まじ許さんからな覚えとけよ。

各キャラクターに関する感想・考察

さて、ストーリーに関する感想をお伝えしたところで、ここからは各キャラクターに関して気になったことをつらつらと述べていきます。

ハルヒロ:メンタル最強隠れヒーロー

まずはハルヒロからですが、パラノ編を通して彼のメンタル面の強さが際立っていたなってのが率直な感想です。ハルヒロがいたのは自分の内面が良くも悪くも具現化するパラノですから、否が応でも彼の内面が浮き彫りになってきたので、その中から「強さ」を感じ取ることができました。

具体的に言えば、まず13巻で「チョコを殺してしまう」っていう精神体験をし、さらにアリスに徹底的に無視を決め込まれ、加えてハルヒロにとっての命綱とも言える仲間とも散り散りになってしまったわけです。

もうこれだけで彼からすればメンタル崩壊してもおかしくなかったわけですが、ここを彼は耐えてみせた。メンタルのバランスが崩れるとトリックスターになってしまうにも関わらず、内面についてはほぼノーダメで最後まで乗り切ります。

途中途中で「仲間を探すの無理じゃね?」っていう彼にとって最大の疑心暗鬼が心をえぐるわけですが、仲間への想いの強さでここもちゃんと乗り越えた。レゾナンスの本領発揮ですね。凄いよ、ハルヒロ。

で、ここからは考察になるのですが、ハルヒロのこの強さは彼自身の「受け入れる」というスタンスに寄るところが大きいのではないかなーと思っています。そして、この諦めに通じる思想は、どこか東洋思想的、仏教的な領域からのルーツが感じられました。

筆者がこう考えた理由は主に2つ。

  1. 3巻のメリィの発言
  2. 14巻のハルヒロのクザクに対する発言

まず前者からですが、ここはハルヒロというよりは十文字先生についてです。確か3巻だったと思うのですが、デッドヘッド監視砦へと足を運ぶ事になったハルヒロパーティは、ブリちゃんによる作戦会議を受けていましたよね?

あの場面で、モグゾーが物凄く緊張してたのですが、そこでメリィが

「普段は意識しない呼吸に集中する事で、精神的に落ち着きが得られる」

といったようなことをモグゾーに対してアドバイスしました。結果的にモグゾーはナーバスな状態から抜け出したわけですが、彼の行く末は知っての通り。。

で、「呼吸に意識を向ける」っていうのは、仏教や禅における「瞑想」の中心概念なんですよね。筆者も時々メンタルを落ち着かせるために瞑想をしているので、こう思いました。

よって、十文字先生の中には東洋的な思考というか、仏教にルーツを持つ思想があることが予想されます。(作家さんは様々な知識に精通しているので、このくらいは知っていても不思議ではありませんが)

続いて後者の「14巻のハルヒロのクザクに対する発言」についてですが、クザクのパラノでの能力は「ナルシィ」ということもあって、敵を倒しすぎて「イド」を手に入れるあまり、トリックスターになりかけていました。わかりやすく言えば、敵の倒しすぎでナルシストに磨きがかかり闇落ちして、殺すことが目的になっちゃうみたいな。結果的にセトラも殺戮の対象として見てしまってたよね。

ハルヒロはこの場面で、自分の能力「レゾナンス」も生かして、クザクにこのように語りかけました。

「(殺戮に関する)欲望や衝動はお前の一部であり、お前自身なんだ。だから全部丸ごと受け入れて、自分のものにしてみせろ」

著作権的なことが怖いので原文は載せておりませんが、まあ大体こんな感じです。この発言についても、「自分の嫌なものを否定・排除する」という西洋的な思想ではなく、「全てを自分として受け入れる」という東洋的な思想がベースにあります。ちょっと抽象的でわかりにくいですが、医学で考えてみるとわかりやすいかなと。

西洋医学はとにかく薬で症状を排除しようとしますが、東洋医学は症状も出来るだけ受け入れて、上手に付き合っていくことをベースにしています。まさにこんな感じで、クザクの中にあった殺戮に対する衝動や欲望は排除しようとしても自分の中に既に実在するものであり、だからこそ受け入れることでクザクはトリックスターにならずに済んだ・・ってイメージです。

とまあこのような具合に、ハルヒロには東洋的な思想が根付いていて、

自分の弱さや醜さをも自分として受け入れる

という根本的な概念が、ハルヒロのメンタルを支え続けてきたのかなって思いました。まあハルヒロも最初からこうだったわけではなくて、マナトを失ってリーダーに祭り上げられ、「とりあえず」リーダをやってきたわけで。ハルヒロには明らかにリーダーとしての適正がないわけですが、それは自分が一番よくわかってますよね。

でも、グリムガルで生き抜くには嫌でもやらざるを得ない。後ろには大切な仲間がいる。だから全然前向きじゃないけど、彼なりにリーダーをやってきた。この過程で、自分の弱さと徹底的に向き合わされ、今の境地にまで至った・・的な?妄想ですが、こんなストーリーを個人的に組み立ててみました。

そして、ハルヒロのこういったメンタリティは私たちが見習うべき部分でもあります。私たちはとにかく「弱さ」を認めることを悪とされ、これを克服することを人生の目標として勝手に設定されています。そしてこれを鵜呑みにし、自分の弱さを認められず、幸福感よりも絶望感を感じている人間ばかりです。

確かに弱さを克服することは大事ですが、これを曲解し「弱さから目をそらす」事になってしまっては、いつまでたっても「自分の人生」は始まりません。と、筆者は思っています。なので、「自己実現」とか「夢に向かって」とか、そういう甘い言葉に踊らされず、ハルヒロのように地に足つけて生きていくスタイルも悪くないんじゃないのかなーって14巻のハルヒロを見ていて思いました。

また、ハルヒロの中に東洋的な思想が見えた事で、ハルヒロが日本からグリムガルへと転生したことの間接的な証拠の1つにもなります。

クザク:「強さ」を求めるあまり闇落ち寸前

続いてがクザクです。ハルヒロが非常に長くなってしまったので、簡潔に済ませたい(願望)。

クザクは上述したように、「ナルシィ」の暴走によりトリックスターになりかけます。仲間であるはずのセトラにまで殺意を向けていたので、ほんとトリックスターになる寸前でしたよね、あれ。

さて、トリックスターになりかけたクザクは、とにかく「殺戮」にこだわりました。ここから自分なりに考察していこうと思います。

なぜクザクが殺戮にこだわったかですが、これは単純に

「殺す = 強い」

っていう方程式が彼の中で組み立てられていたからでしょう。ナルシィのキーワードは自己陶酔ですから、とにかく殺すことで自分のことを満たしたい・・これが、クザクの頭の中。

そして、この背景にあるのは、間違いなくクザクの「グリムガルでのルーツ」です。チョコを含めたメンバーとパーティーを組み、新人ながら適当なノリでデッドヘッド監視砦のオーダーへと挑戦し、自分以外は全員死亡。自分だけが「生き残ってしまった」わけです。

この悲劇の後、クザクはハルヒロパーティーへと加わります。その理由は「モグゾーの代わり」です。メリィを説得した時のハルヒロ流に言えば

「タンク(盾役)がいないとどうにもなんないからさ」

って理由で、とりあえずクザクをパーティーに入れたわけです。そこからワンダーホールにてあまりにも不甲斐なかったので、クザクはランタにけちょんけちょんにされます。そして、他のメンバーもランタを止めはしませんでした。なぜか。単純にザコだったから。

そこからクザクも強くなりましたが、彼の心の中にはずーっと「モグゾークン」がいたことは容易に想像できますよね。

「自分はモグゾークンより役に立ててるのか。自分じゃなくモグゾークンが生きてた方がずっと良かったのではないか。もっと強くなりたい・・」

きっとこういう気持ちを持っていたと思います。

そして、この強さへの強烈な希求こそが、パラノでの「殺戮への異常な執着」だと筆者は考えたわけです。自分の弱さを受け入れられず、強さだけを求める自分に飲み込まれそうになった。それをレゾナンス持ちのハルヒロが助けた。

図式としてはこんな感じですよね。今じゃハルヒロパーティになくてはならないタンクな訳ですから、もうそんなに悩むことないのに・・と思ってしまいますが、本人じゃないとわからない苦悩があるのでしょう、きっと。そしてそれは、私たち自身も同じです。

他人からすれば些細なことでも、大きなコンプレックスになっている。こんなことは誰の中にでもあるものです。こういったものに苦しみそうになったら、心の中でハルヒロを召喚させて、彼のレゾナンスによりコンプレックスを認めることができたなら、私たちはもっと楽に生きられるのかもしれません。

シホル:おっぱい星人爆誕

続いてシホルですが、まあおっぱいですよね、おっぱい。やっぱりシホルはおっぱいだよ、うん。

オタ星

アニメ化されたらエグいことになるんだろうなぁ・・

こう思わずにはいられませんが、我々男性のこのような思考こそが、きっとシホルを苦しめてきたのでしょう。そう、シホルはシホル自身、とりわけ「自分の顔」をとにかく愛して欲しかったのです。おっぱいじゃなくて顔ね。

これは、14巻途中に挿入されていたシホルの日本時代の描写からも読み取れます。

「自分は可愛くない、お継母さんみたいに美しくない。だから愛されない。もっと愛して欲しいのに・・、ドウシテ。」

ザックリ言うとまあこんな感じです。そして、「フィリア」の特性でもある

「自己愛が強すぎるあまり他者からの愛を貪る」

という闇にのまれ、ハルヒロパーティの中で唯一トリックスターに成り果てました。それだけシホルの中の自己愛は損なわれており、さらにユメ不在というのも相まって、のまれてしまったのでしょう。

これだけ見ると、

オタ星

シホル何やってんだよ・・、頼むよマジで。。

って思ってしまいますが、同情もしちゃいます。やっぱり、お母さんの存在って大きいんだよね。シホルは実の母ではなく、再婚した女性に育てられていたのでしょう。そういった背景があると、どうしても自己愛が傷つき、精神的に不安定になってしまうことは、色々なことから明らかになっていますしね。

ということで、シホルから感じたことは「お母さんの偉大さ」でした。筆者はシホルのように継母ではなく、逆に?ではないですが、母子家庭で育ったので、自分に愛情を注いでくれたかーちゃんのことを、これからは大切にしていきたいって思います。

なんだこのオチ・・(笑)ハルヒロとクザクに力を入れすぎて、若干シホルの考察が雑になってしまいました。まあでも、事実は事実ですしね。皆さんも、もしお母さんがご健在なら、お母さんにありがとうって伝えてあげましょう。

オタ星

筆者は男だけど、お父さんって必要なのかなって思います。絶対お母さんの方が大事だよ。

まとめ

ということで、とりあえずこの辺で14巻のレビューは閉じます。本当はもっと書きたかったのですが、今はちょっと力尽きました・・。

最近になって、アニメ版グリムガルを改めてレビューしてみたので、こちらについても気になる方はチェックしてみてください!

【2期まだか・・?】アニメ版グリムガルの原作ファンから見た魅力に迫る

追記:グリムガル14巻の続編「level.14+(短編集)」が発売しました!早速レビューをしているので、気になる方はチェックしてみてください!

【物語は次のステップへ】灰と幻想のグリムガル「level.14+」の感想

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