うつ病はとても辛いものですが、かれこれ筆者はもう10年近くこの病気と付き合ってきています。
そこで今回、こんな僕の経験でも誰かの役に立つならばとの気持ちで、うつ病と8年付き合った結果わかったことをまとめてご紹介していこうと思います。皆さまのお役に立てるかはわかりませんが、「わかるわかる」と思う部分があるかもしれませんので、チェックしてくれると嬉しいです(^ ^)
この記事の概要
筆者の病歴
まずは簡単に筆者の病歴をご紹介しておきます。
神経症からうつ病へ
筆者は自分でいうのもアレですが、高校生までは比較的元気な子で、スポーツに勉強に打ち込んでました。そして、第一志望の大学に入学してから、大学と理想の現実にギャップを感じ、神経症を発症。
そこから色々とうまくいかずに、結果的にうつ病を罹患。結局、10年近くうつ病や強迫・不安神経症と付き合ってきています。神経症からうつ病という典型的な事例ですね。
マインドフルネスで改善
こんな感じの病歴ですが、現在こんな記事まで書けるまでにメンタルが復帰した背景には「マインドフルネスストレス低減法(MBSR)」と呼ばれる1つの生き方があります。世間では「マインドフルネス」って呼ばれてるやつですね。MBSRは治療法ですが、筆者はカッコつけて生き方って呼んでいるんです。
この治療法は、認知行動療法と並ぶメンタルヘルスの王道とも言える治療法で、筆者にはかなり合いました。この生き方がきっかけになり、筆者の人生は再び動きだし、今では多少の幸せを感じられるようにまでなっています。
なお、ここで言及している「マインドフルネス」を筆者なりに簡単に解説した記事がこちらですので、気になる方は覗いてみてください!
[card2 id="139"]
10年近く苦しんでうつ病についてわかったこと
さて、ではそろそろ本題の、10年近く苦しんだ結果、この病気についてわかったことをまとめてみましょう。
その1:うつ病に正解はない

わかったことその1が、うつ病という病に正解はないんだなってことでしょうか。
原因は千差万別・症状も千差万別
ここからは筆者の個人的見解ですので、この点ご容赦ください。
うつ病になった原因はそれぞれの方で異なると思いますし、症状もまた決まったものはありません。また、薬だって効くか効かないかは個人差がとても大きいです。つまり、うつ病は原因から症状まで全てがそれぞれの人間によって異なるものなのです。
なのにどうして、このような病気を一定の型にはめこんで治療しようとするのでしょうか?と思うようになりました。まあ、自分で様々な治療法を試してみて、なかなか効果の実感が得られなかったっていうのもありますが、冷静に分析してみると千差万別なんですよ。本当に。
千差万別のものに画一的に対処しても無理

千差万別のものに対して同じ方法で対処しようとしても、絶対無理に決まってるんです。なので、筆者はそれぞれのうつ病マニュアルを自分で作っていくしかないと思っています。自分の心のくせだったり、そういったものを理解して、自分に一番合った治療法に取り組む。難しいですが、寛解や職場復帰を視野にいれるなら大切なんじゃないかなぁと個人的には思っています。
ちなみに、心の癖を理解することの重要性を説いた記事がこちらになりますので、もしよろしければご覧になってみてください。
[card2 id="120"]
その2:医者は使うもの

わかったことその2ですが、医者は使うものという点ですね。これについても筆者の個人的見解が多分に含まれているので、あくまで1つの意見としての認識にとどめておいて下さい。
名医に誰しもが巡り会えるわけではない
恐らくですが、この日本という国の中に、自分にピッタリ合ったお医者さんが存在するのでしょう。腕があって、なおかつ人としての相性もぴったりなお医者さんが。
ですが、これは1つの希望的観測にすぎず、少なくとも筆者は何人かの精神科医にかかるうちに、「あ、病院をあまりあてにしちゃダメだな」と思うようになりました。もちろん、筆者の周りには先生の力を借りて、劇的に症状が改善した方もいらっしゃいます。これも事実です。
なんですが、筆者は自分に合った名医を探すよりも、自分に合った治療法や生き方を模索する道を選びました。病院を探すのにはお金もかかるし手間もかかる。それで疲れてもっとキツくなったりしてしまった経験もあるので、どこかで「もういいや」との諦めがついたんですよね。
病院は1つの治療の選択肢でしかない
こうした諦めをつけてから、筆者は病院や医者は1つの治療の選択肢でしかないと思うようになりました。そうしたところ、今まで
「なんだこのクソ医者は。全然話を聞いてくれないし、薬しか出さないじゃないか」
との不満やストレスがあったのですが、
「医者も人間だからね。気持ちが乗らなくてあまり話をしたくない時もあるんだろうな。」
みたいに、先生を一人の人間として見るようになったんですね。あとは病院も慈善事業じゃないので、ある程度は仕方ないのかなーみたいに思ったり。
こう変わってから、病院へ行って先生と話すのが不思議と楽しみになったりもしました。今では主治医のことを「メンタルヘルスに詳しいオッサン」程度にしか思っていませんが、前よりも楽しくお話ができています。表情も明るくなったと言われたのがすごく嬉しかった。
また、筆者はかれこれ10年弱に渡ってメンタル系の薬を服用していますが、その経験をもとに
「薬物治療のメリット・デメリット」
を解説してみましたこちらの記事についても、合わせてご覧になってみてください。
[card2 id="139"]
うつ病は自分でどうにかするしかない?
一方で、こういった考え方は「うつ病は自分でどうにかしないといけないもの」といった側面を助長させることとなり、これが一般認識になるとマズイなぁとも思ったりします。ですが、つまるところ、心の問題は自分にしかわからないものだとおもっているので、ある程度は仕方ないのかなって割り切るようにしていますね。
医者じゃなく自分で色々模索していく中で、「自分の人生を生きる」という思いも生まれて来てくれたので、なんだかんだ自分の選んだ道は間違っていなかったのかなと今では考えています。
その3:うつ病になってよかった

うつ病になってわかったことその3が、うつ病になってよかったということですね。
「いつか感謝できるようになる」← は?そんなわけねえだろと思っていた
うつ病でもガンでもなんでもそうですが、何か大きい挫折体験や病気をした人のインタビューで、「感謝」というワードが必ず入っているような気がしています。
ですが、症状がキツイ時に「いつか感謝できる時が来る」なんて言われても、
「は?そんなわけねえじゃん。なんでこんな苦しいことに感謝しなきゃいけないんだよ」
と思ってました。「どうせそんなに苦しくなかったんだろ」とどこか自分を特別視していたフシもあったように思います。
うつ病にならなかった時の自分を考えるようになった
ですが、心に少しずつ余裕が出てくると、「もしうつ病にならなかったらどうなっていたんだろう」と思うようになってきたんです。筆者が調子を崩す前の自分は、今思えば本当にどうしようもない人間でした。
他人の気持ちなんて考えたこともなかったし、とにかく自分のことしか考えていなかった。その癖プライドだけは高く、何かあるとすぐに他人を見下す。まあ、有り体に言って「どうしようもない人間」ですよね。こんな人間だった中でも筆者なりに必死になって頑張っていたんですが、うつ病にならなかったら一番なりたくない自分になっていた気がします。
なので、うつ病中に苦しかったことは、こういった自分から生まれ変わるための、言わば「産みの苦しみ」だったのかなぁとも考えたり。今でもまだ以前のような自分に戻ってしまったりしますが、その時は身体がキチンと「苦しさを伝えてくれて」修正することができて、ちょっとずつなりたい自分になれている気がします。
うつ病は人生を変えるための身体からの最終手段

ということで、うつ病を患った筆者はガラリと人生が変わってしまいました。そこそこの大学に入学し、そこそこの企業に入社して働くという青写真を描いていたわけですが、結果的に就活の段階で症状悪化でドロップアウト。
そこからニートをして、苦しんで、マインドフルネスという生き方に出会って、こんな記事を書いている。大学の同期には超がつく一流企業に入社した人もいますが、というかそれが筆者の親友なのですが、妬んだり羨んだりももちろんしますよ。「俺だってああなれたかもしれないのに・・」という悔しさは今だって普通に感じます、泣きそうですもん、今。
それでもね、自分の身体が命を賭してまで伝えてくれた「苦しさ」から学んで、今までとは違う人生を歩んでいく決心がついたんです。普通とは違うし、一般的な幸せとは程遠いかもしれないけど、それでも一歩一歩進んでいく。今ではこんな気持ちを抱いて、家で文字書いて働くことを試してみたり、ゲームしたりしてます。
なので、筆者は「うつ病は人生を変えるための、身体からの最終手段」だと思ってます!これがうつ病で苦しんでいる方へ向けたこの記事の結論です!
まとめ
こんな気持ちの入った記事にするつもりじゃなかったんですけど、書いていくうちに気合い入ってしまいました。冒頭と最後でテンションが違うのはお許しください。
何かありましたらコメントしていただけたら泣いて喜びます。では、またお会いしましょう。